次元を超える城 中篇
○月明かり設定の『エミル界の御三家』
世界のエネルギー事情を支配するモーグの『アーデント家』
世界の流通事情を統括し、アクロポリス評議会にも太いパイプを持つ『クレッセントフィールド家』
世界の食料事情の、半分以上を掌握している『神崎家』
まぁ、厨ニ的にお考えください。
そういえば、月明かり二次作品は、なかなか西の話題が出てこない気がしますね。まぁ、機会があれば……
後編は短目かも。
次元を超える城 中篇
○ウェストフォートにて
スナブ:……ん? 何かな?
クリステン:あんたがスナブか? 技術者の?
スナブ:あぁ、君の話しはよく聞くネェ。この前の戦争で活躍したって言う人だネェ
クリステン:(´=ω=`)特に何をしたってわけでもないが……
エミル:何言ってるんだよ! クリステンがいなかったら勝てなかったよ!
タイタス:フン……エミルはいてもいなくても変わらなかったがな
エミル:(;´Д`)
ルルイエ:たしかに
ベリアル;そうだな
マーシャ:そういえば中心部に行ってから、エミルが戦っているところを見てないわ……
エミル:……(;´Д`)
永久奈:元気出してください、エミルさん。のけ者同士、仲良くしましょう!
(機械仕掛けの神参照)
エミル:(;´Д`)と、永久奈さん……ありがとう!
クリステン:いや、それ全然フォローになってないから
スナブ:……それで、なにしにきたのかネェ?
クリステン:そうだったそうだった。実はエミル界で飛空城の残骸を見つけて……
スナブ:ほほう。それは面白い話題だネェ。長くなりそうだ、中に入るかネェ。
○スナブ研究所にて
スナブ:さて、飛空城の残骸が見つかったって?
ベリアル:あぁ、だがエンジンが動かない。エミルの技術者も頑張ってるけど、部品がどうにも足りないらしいんだ。
スナブ:エミル界では、すでに飛空城の技術は失われているのカナ? となると、直すのは至難の業だろうネ
マーシャ:そんなに大変なの?
スナブ:料理にたとえると……レシピも無く、材料もよく分からず、調理器具だけあって、『さぁ、この料理を作れ』って言ってる様なものだネェ
永久奈:(;´Д`)それは無理ですね……
エミル:でも、飛空城が無いとティタが……
スナブ:ふむ。何か大切な用事があるようだネェ。だが、飛空城となると……こちらもちゃんとした技術があるわけじゃないんだヨ、残念ながら。
ベリアル:そうなのか……直せないのか?
スナブ:直せない事は無いと思うが、エミルの技術者と同じことを言うことになると思うネェ。『時間がかかるよ』。
ルルイエ:ふーむ……ココに来ればひょいひょーいって直ると思ったのに……役に立たないのね……
スナブ:ただ、部品が足りないだけなら手はあるネェ
タイタス:何? 本当か?
スナブ:部品なら腐るほどあるだろうからネェ……アクロポリスシティには。
ベリアル:……つまり、DEMからかっぱらってこいと?
スナブ:忘れているのカイ? 弟様? DEMは次元を超えてこのドミニオン界に来ている筈ダヨ? ってことは、技術はあちらさんのほうが本家ってことダ。
マーシャ:確かにそれはそうね……でも、なんかかっぱらってくるっていやな感じね……
エミル:うーん……そうだ! マザーに頼んだら部品を分けてくれないかな?
ベリアル:まぁ……可能性はあるかもしれないな
タイタス:ふむ、だったらココはクリステンに言ってもらうのが早いだろう
クリステン:あぁ? なんで俺が?
タイタス:君はなにやら、マザーやドミニオンドラゴンとも親交があるみたいだったじゃないか
クリステン:(;´Д`)ドミドラはともかく、マザーとは別に……
スナブ:あぁ、エンジンが直せても、まだやることはアルヨ?
ベリアル:何? まだ何か足りないのか?
スナブ:飛空城は、DEMの戦艦と飛空庭を足した技術ダ。つまり、エンジンで航行可能になっても、本体を浮かすことができないだろうネェ。
ルルイエ:バオバブじゃダメなの?
スナブ:飛空庭の浮力程度じゃ、エンジンも浮かせられんネェ。もっと力の強いものでないと。
タイタス:ふむ……
マーシャ:それは、タイタニアドラゴンに聞いてみたらどうかしら? エルシエルも宙に浮いた都市だったし、何か知ってるんじゃないかしら?
タイタス:そうだな……じゃぁ、僕たちはタイタニアドラゴンに話を聞いてこよう。ほら、やっぱりクリステンはマザー行きだろ?
クリステン:まったく持って気が進まんが……おい、永久奈。お前も来い。
永久奈:はい、分かりました。
○中央制御室手前にて
クリステン:……
永久奈:ふー、ココまで来るのも大変ですねぇ。相変わらず、DEMは襲い掛かってくるし……
クリステン:……永久奈
永久奈:はい?
クリステン:俺はここで待ってるから、マザーに部品のことは頼んだぞ
永久奈:……は、い?
クリステン:ほら、俺が行くと話がややこしくなるから。
永久奈:え? あ、え?……ええ?
クリステン:大丈夫。適当に話せばきっと何とかしてくれる
永久奈:ええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!? だって私、そのマザーさんとやらと会ってないんですけど!!!? クリステンさんが薬を持ったせいで!!!!
クリステン:大丈夫大丈夫
永久奈:なにが!? 何が大丈夫なんです!!? え!? マジデすか!!!?
クリステン:いや本当に俺はこれ以上進む気はないからな
永久奈:うわ!!? 本気だ! コレは本気の目だ!!! あ! 何気に押さないでくださいよ!! このために私を連れてきたんですか!!!?
クリステン:当然
永久奈:私、間違って捕まったり、攻撃されたりしませんか……?
クリステン:大丈夫だよ、いざとなったら殴り倒せ。俺が許す。
永久奈:(;´Д`)全然大丈夫じゃなああああああああああああああああああああああい!!!!!!!!!!!!!!!!!!
クリステン:じゃ、任せた!
○中央制御室にて
マザー:む……?
永久奈:こ、ここ、こんにちわー
マザー:エミル女か
永久奈:(;´Д`)うわ、なんか懐かしいあだ名。
マザー:エミルが何の用だ? ココがどこだか分かっているのか?
永久奈:あ、はい……えっとー……
マザー:……
永久奈:……ご、ごめんなさい。よ、よく分かってないです……
マザー:やれやれ、あの南の子の仲間でなかったら、お前は今頃死んでいるぞ。
永久奈:南の子……?
マザー:あの紫の髪の。私に顔を合わせるのが嫌で、向こうで突っ立ってるアイツだ。
永久奈:ああ、クリステンさんのこと……そういえば、南の出身だって言ってましたね。
マザー:まぁ、無理も無いだろうが。
永久奈:……あのー。
マザー:なんだ? 次元航行用のエンジンの部品のことか? あまっているものを集めておいた、適当に持っていくがいい。
永久奈:な、なんでそんなことまで……
マザー:敵側の情報を収集するのは当然のことだ。
永久奈:……敵側
マザー:そうだ、敵だ。DEMとドミニオン、エミル、タイタニアは敵同士だ
永久奈:そう、なんですよね……ドミニオン界じゃ、まだ戦争は終わってないし……
マザー:……
永久奈:あの、聞いてみたいことがあるんですが。
マザー:なんだ?
永久奈:マザーさんと、クリステンさんの間に、一体何があったんです……?
マザー:それを知ってどうする?
永久奈:……分かりません。でも、知りたいと思います。何が出来るかわかりませんが、何か出来ることがあるかもしれないから。
マザー:知れば、きっと貴様の運命は大きく動くだろう。それでもいいのか? その先に、どんな不幸や別れが待っていても?
永久奈:……クリステンさんのためになるなら。
マザー:フン……む? その胸のお守りは……?
永久奈:あ? これは私のおばあちゃんが渡してくれたものです。この前クリステンさんに貸して、ちょっと血で汚れちゃってますけど……
マザー:そうか。そういうことか。何とはなしに、ヤツの強さの根源が分かった気がする。
永久奈:?
マザー:分かった。教えてやろう。
永久奈:あ、ありがとうございます!
マザー:ヤツの父親、そして母親、そして故郷を焼いたのはこの私だ。
○中央制御室手前にて
クリステン:……ん?
永久奈:あ、クリステンさん。無事に部品を分けていただきました。
クリステン:そうか、他に何かなかったか?
永久奈:いえ、何もありませんでしたよ
クリステン:そうか……いや、まぁ、いい。じゃぁ、帰ろう。
永久奈:はい
○中央制御室にて
マザー:ウーム……
マザー:むー……
マザー:……ウーン
ドミニオンドラゴン:(;´Д`)何をしとる? 煙を吹きそうなほどに難しい顔をしおって。
マザー:ぬ!? また勝手に! 本当に貴様は神出鬼没だな!!
ドミニオンドラゴン:うむ、タイタニア界に用事が出来たので、しばらくこっちを空けることになりそうだからな。ちょっと様子を見に来た。
マザー:貴様……仮にも守護龍でありながら、なんだその放置っぷりは……
ドミニオンドラゴン:貴様がいてくれて本当に助かる^-^
マザー:ちっ……
ドミニオンドラゴン:それはそれとして、一体何を悩んでおるのだ?
マザー:ふむ、人の愛情とは一体なんなのか?
ドミニオンドラゴン:また難しいことを……私の蔵書でもいくつか貸してやろうか? 人の愛について語ったものがいくつもあるぞ?
マザー:ほほう、それは面白い。いくつか貸してもらおう。
ドミニオンドラゴン:人の心の次は、人の愛情か。まぁ、似て非なるものという感じがしないでもないな。
マザー:非常に興味深い。真実を知って、あの娘がどんな答えを出すのか、リリとルクスにもいい影響を与えてくれれば文句無しだ。
ドミニオンドラゴン:……あの娘?
マザー:あの南の子の仲間だ。ほら、銀髪の。お前は知らんか?
ドミニオンドラゴン:……銀髪? 銀髪の賢人なら知っているが……娘?
マザー:ほほう、貴様も知らんのか?ニヤニヤ(・∀・)ニヤニヤ
ドミニオンドラゴン:ぐっ! なんだこの敗北感は! おい、詳しく話せ!!
マザー:断る。自分で確かめに行けばよかろう? ああ、タイタニア界に用事があるのだったな、ほらほら、さっさと行け。
ドミニオンドラゴン:ええい、ふざけるな!! 誰だ、その娘は!!? アイツとどんな関係なのだ!?
マザー:さてなー?ニヤニヤ(・∀・)ニヤニヤ
ドミニオンドラゴン:人の愛情とかいっていたな……!? 許さんぞ! 私の許可無く、アイツとそんな関係になるなど!! 一体ドコのうまの骨だ!!!
マザー:(;´Д`)え? むしろ、お前があの南の子とどんな関係なの?
ドミニオンドラゴン:知人の息子だ! それだけだ!!
マザー:全然それだけって感じがしないが……
ドミニオンドラゴン:おのれ! 小さいころのアイツを抱き上げたこともあるし、オムツ交換もしたことがあるのだぞ! そんな私を差し置いてだと!! ちょっと今からエミル界に行って来る!!!
マザー:(;´Д`)え!!!? タイタニア界は!!!?
ドミニオンドラゴン:そんな場合ではない!! なんなら、お前が行け!!!!
マザー:(;´Д`)まぁ、いい……で、蔵書の貸し出しは?
ドミニオンドラゴン:却下だ! ふざけるな!!
マザー:(;´Д`)……デスヨネ
続く
by sei_aley
| 2011-07-14 12:34
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