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月明かりの射す静かな庭

noblemoon.exblog.jp

ECOのフリージアサーバに生息中。現在の企画→ECO小説<運命の赤い糸>

最悪の厄災 <黒い霧> 4

次回はエピローグ。

公式のエンドはもうちょっと続く(エミル関連)けど、月明かりはばっさりと切るのです。
エミル君復活エンドについては、自分の目で確かめてください。ナンツッテ。

ようやっとお嬢様が帰ってきました。





最悪の厄災 <黒い霧> 4


○数日前、エミル界のアクロポリスシティ、議員会館にて

アルシア:会議だと?

セイ:そう。ク=トゥルーの対応について、タイタニア界で会議をする。その会議に、エミル界代表者を出したいんだ。エミルドラゴンはクジラの胃の中だしな。

アルシア:ほほう。ク=トゥルーとはな……話には聞いていたが、そんな事態になっているとは。だが、どうしてエミル界から代表を出させるのだ? 今まで自分たちで対応してきたタイタニア側にとっては、我々はよそ者扱いだろうに。

セイ:実は、全部仕組まれてる。

アルシア:……なんだと?

セイ:この会議の目的は、ク=トゥルーの対応を決めるものじゃない。狙いはもっと別にあるんだ。

アルシア:ほほう……その狙いの為に、エミル界の代表も必要だと?

セイ:餌は大きくないと、でかい獲物はかからないだろ?

アルシア:フン。傲慢なことだ。まぁいいだろう。タイタニア界へ行くいい機会だ。ルーランには私から話しておく。おそらくは私が行くことになるだろう。御三家のクレッセントフィールドの現当主で、アクロポリス評議員だ。エミル界代表といっても何の問題もあるまい?

セイ:それが助かる。根回しの必要もないし。

アルシア:で、その狙いとやらは、教えてもらえるんだろうな?

セイ:釣りさ。ただの釣り……後ろでコソコソ逃げ隠れしている馬鹿を……壇上に引きずり出してやるんだ。


○クジラ岩、深淵にて

最悪の厄災 <黒い霧> 4_e0010586_23254327.jpg


エミルドラゴン:おう! ようやっと戻ってきたな!!

エミル:心配かけてごめんね! もう大丈夫だよ!!

エミルドラゴン:いや、お前の心配なんかこれっぽっちもしてなかったけどな! 再封印に間に合ってよかったぜ!!

エミル:orz

クリステン:で、タイタニア界の会議は? もう始まっているはずだぞ?

エミルドラゴン:うむ。タイタニアゴラゴンから連絡があるはずなんだが……まだ会議は続いているようだな

ルルイエ:そんなのはどうでもいいから、早くクジラを封印しちゃいましょう!!

タイタス:そうだな。何事も先手先手で動いたほうがいい。

クリステン:(あの馬鹿は……『変なの』が乱入してくるって言ってたな……果たして何が出てくるのか)

エミルドラゴン:うん? お? タイタニアドラゴンから念糸が着たぞ……よし、お前らにもつなげてやる。

タニタニアドラゴン:大変だよ!! 大変だ!!

ティタ:タイタニアドラゴン♪ こんにちわですわ♪

ベリアル:ティタってぶれないよなぁ(;´Д`)

マーシャ:超マイペースだからね、この子……

エミルドラゴン:どうした? 会議で何かあったか?

タイタニアドラゴン:何かも何もないよ!! 魔女連盟と賢人機関が『クジラは即刻処分するべき』っていきなり主張したんだ!!

エミルドラゴン:なんだと……!?

クリステン:……

タイタニアドラゴン:神木代の予言を持ち出したんだ!! 『黒い魔女がクジラを食う』って……そんな大昔の予言を!! もちろん守護龍とタイタニア騎士団、連合国は反対して『クジラは再封印して様子を見るべき』って主張したんだけど……最後のエミル界の代表のちびっ子が魔女連盟側に付いたから大混乱だよ!! 3対3で、会議は完全に平行線さ!!

エミルドラゴン:ったく……下手にエミル界の代表なんぞ招くからいけないんだ! 何の事情も分かってないだろうに!!

クリステン:(ちびっ子……アルシアか。アイツはそんな馬鹿じゃないし、後ろには銀髪の賢人がいるはず……アイツは『出来レース』って言ったが……?)

エミルドラゴン:じゃぁ、会議はまだ続いているのか?

タイタニアドラゴン:会議は強制終了!! 魔女連盟が強引に……黒い魔女がそっちに向かったはずだよ!!! クジラは私が食い殺すって!!

エミルドラゴン:なん、だと……黒い魔女か!! よりにもよって最悪なのが来たな……

ベリアル:黒い魔女……なんかたびたび出てくるな、そいつ……

エミル:……

クリステン:(そうか、コイツ記憶が戻ったから、黒い魔女が誰なのか思い出したのか)

マーシャ:ど、どうするの!? どうなるの!!?

エミルドラゴン:とにかく再封印だ。封印してしまえばクジラに害はねぇ。そうなれば、強引に事を進める必要はねぇんだ。タイタニアドラゴン!! 再封印するから会議メンバーを説得して黒い魔女を止めさせろ!!

タイタニアドラゴン:説得してみるけど……間に合うかどうか!

エミルドラゴン:時間は俺が稼ぐ……むぅ!!?

リリ:……!!!?

ベリアル:どうした、リリ?

リリ:こちらに接近する高出力のエネルギーを感知。ものすごい速さ……あ、ありえない……こんなの……母様以上の高出力……!!?

ベリアル:(;´Д`)マザー以上だって!?

エミルドラゴン:エミル、お前が再封印しろ。それだけのエネルギーは分けてあるはずだ。

エミル:分かった!

ティタ:エミルドラゴンはどうしますの……?

エミルドラゴン:俺は黒い魔女を止める。さっさといけ! 後ろの鏡から、クジラの心臓部にいける!!

エミル:分かった!! エミルドラゴンも……気をつけて!!

エミルドラゴン:俺を誰だと思ってるんだ……守護龍最強のエミルドラゴンだぜ!!

エミル:よし! みんな行こう!!

一同:分かった!!

エミルドラゴン:クリステン

クリステン:ん?

エミルドラゴン:頼んだぞ

クリステン:馬鹿。それはフラグだぞ。まぁ……任せとけ。

エミルドラゴン:……

エミルドラゴン:(俺のわがままにつき合わせちまって悪いな……)

???:よぅ。守護龍、久しぶりね。

エミルドラゴン:来たな、黒い魔女……エニア=セレラル!! クジラには何の罪もねぇ……こいつはただ生きているだけだ!! 殺すことはないんだ!! 封印しておけば害はねえんだからな!!!

エニア:甘いなぁ、守護龍。クジラは私が食い殺す。それが神木代の予言……あとはこの最強の黒い魔女に任せて……一度、死んでみる?

エミルドラゴン:片腹痛いぜ、魔女……最強名乗りたかったら……まずは俺を倒せ!!

エニア:上等…… く  び  り  殺  し  て  あ  げ  る  よ  


○クジラ岩 終淵にて

エミル:ここがクジラの心臓部……

マーシャ:あ!! アレを見て!! 上に心臓がある!!

リリ:エネルギー値が不安定……

タイタス:危険な状態だな……早く封印を!

エミル:うん!!

????:この『ク=トゥルー』は俺のものだ……勝手なことはやめてもらおうか、クズども!

エミル:……え!?

クリステン:下がれ!!

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エミル:うわ!!

タイタス:な、なんだこいつ!!

リリ:……

ベリアル:リリ、大丈夫か!!

ルルイエ:く、何なのよ……一体!?

クリステン:お前ら下がれ!!

ティタ:クリステンさん?

クリステン:早くしろ!! クソ!! あの野郎……何が『変なの』だ!! ふざけやがって!!
いいから早く、出来るだけこの場から離れろ!!

????:ほほう、俺のプレッシャーが分かるとは。なかなかの兵か。

クリステン:(クソ! ありえない……!!)

リリ:ありえない……

ベリアル:リリ?

クリステン:(この威圧……あの賢人や魔女以上だぞ……!)

リリ:ありえない……! このエネルギー量……エミルドラゴンや、さっきの魔女を越えて……

タイタス:なん、だって……

クリステン:……てめぇ……一体何者だ!!

ハスター:ふむ。俺のプレッシャーを理解出来た褒美として答えてやろうか。俺の名は『ハスター』。このクジラを駆るものだ。

エミル:……クジラを駆る……!?

ハスター:そうだ。せっかくこのク=トゥルーを使ってDEM世界を飲み込み、次はいざタイタニア界だったというに……黒い魔女、守護龍にやられてこのざまだ。

クリステン:……

ハスター:だが、好機はめぐってきた。ク=トゥルーの封印は弱まり、その対応で3世界会議は大混乱……果てにはあの黒い魔女と守護龍が争って共倒れだ!! コレでク=トゥルーは復活し、世界は俺のものとなる……!!

エミル:それじゃ……君がDEM界を!? リリちゃんの故郷を!!

ハスター:タイタニア界も、エミル界もドミニオン界もいずれそうなる。同じく等しく、みなこの胃の中に納まるのだよ。

クリステン:てめぇが……全部やらかしたってことかよ……

ハスター:だとしたら、どうする?

エミル:許せない……リリちゃんの故郷を! 僕たちの世界を……なんだと思っているんだ!!

ハスター:ククク……貴様らがそうやって大事そうに扱っている世界も、このクジラにとってはただの食料で、私にとっては他だのリソーセスだ。さて、無駄話を長引かせて、守護龍と黒い魔女に来られても面白くない……悪いが、さっさと……

クリステン:四方の王の怒り持て! 我が呼び声に答えよ!! エレメンタルラース!!!

ハスター:むぅ……!!?

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああああん!!!!!!!!!!!!

タイタス:く、クリステン……いきなり……

クリステン:エミル!! 早く封印しろ!! 出来る限り俺が抑えてやる!

エミル:わ、分かったよ!!

ハスター:させぬ……!

ベリアル:そんな、クリステンのラースを受けて無傷かよ!?

クリステン:く……! 我が言の葉借りて……

ハスター:遅い!

ルルイエ:危ない!!

クリステン:(まにあわな……)

???:アルカナカード!

ハスター:!?

ジャック、クイーン、キング:( ゚Д゚)( ゚Д゚)( ゚Д゚)!!

クリステン:何……コレは……

永久奈:クリステンさんには指一本触れさせません!!

タイタス:と、永久奈さん!? まさか……ルルイエ! 君か!!

ルルイエ:エヘヘ……準備にアクロポリスに戻ろうってなったときに……ね

永久奈:クリステンさんが危ないことしようとしてるって聞いて……私が頼んで憑依させてもらっていたんです。

クリステン:……じゃ、じゃぁ……最初っからいたのかよ、お前……

永久奈:(*´`)エヘヘー、全部見させてもらいましたよ、クリステンさん♪

クリステン:……あの色ボケ女がクスクス笑ってたのはコレか……

ハスター:じゃまを……するな!!!

ジャック、クイーン、キング:( ;゚Д゚)!?!?!?!

永久奈:カードたちが……!

クリステン:だが、時間は出来た。ただ驚いていただけじゃないぜ……今の間に補助はフルコンプ。コレならまだ戦える……!!

ハスター:調子に乗るなよ、ニンゲン! 我が力……思い知るがいい!!

???:おい、調子に乗っているのはお前だろ

ハスター:ぬぅ……貴様!!

クリステン:……今回は来るのが早いじゃないか

永久奈:……エニアさん!!

エニア:永久奈っちもいたのか。急いで正解ね。

ベリアル:エニアが何でココに……?

ハスター:来たな、黒い魔女……!

ベリアル:(;´Д`)ええええええええええええええ!!!!!!!? エニアが黒い魔女なのか!!!!?

エミル:うん、そうなんだよ……(遠い目

タイタス:タイタニア界じゃ超有名人だぞ、彼女。世界を滅ぼせるヒトだからな(遠い目

ティタ:茶目っ気はある人なんですよ……(遠い目

リリ:リリは、しってた

マーシャ:まぁ、私も知ってた……かな。(←嘘

ベリアル:ええー!! みんな知ってたのかよ!! 知らないのは俺とルルイエだけか!!?

ルルイエ:え? 私は知ってたわよ。(←ヒトトセイベントによく来てましたよね

ベリアル:(;´Д`)ええええええええええええええ!!!!?

タイタス:っていうか、エミルドラゴンはどうしたんだ……!?

エミルドラゴン・アニマ:こら!!! 魔女!!! てめぇどこ行きやがる!!!

エニア:やっと来たか、鈍足トカゲめ。

エミルドラゴン:む……ナンダコイツ。黒い魔女のほかにもまた面倒そうなヤツが……

ハスター:ちぃ……予想外に早い。そうか……会議辺りから何か仕組まれているな……

エミルドラゴン:てめぇが何者かは知らないが……再封印のジャマはさせないぞ……!

ハスター:ク=トゥルーは俺のものだ……誰にも譲らぬ!

エニア:クジラは私が食い殺すって言ってんでしょうが。首を落とすぞ、お前ら……!

タイタス:な、なんだ、この恐怖の対峙は……(;´Д`)

リリ:……

ベリアル:り、リリ? どうした?

リリ:……

ベリアル:……リリ?(;´Д`)

マーシャ:……気絶してるわ、この子……

ルルイエ:多分処理しきれない情報量を一気に受信したものだからシャットダウンしたのね(;´Д`)

永久奈:クリステンさん、再封印はどうします?

クリステン:まずは様子見する。下手に動いて、あんな連中に目を付けられてみろ……絶対に逃げられんぞ

永久奈:そ、そうですね……(汗

ハスター:……ふん、そういうことか。まんまと乗せられたか。

エミルドラゴン:何のことだ……!?

ハスター:まぁいい。さて、でじゃそろそろ私は失礼するとしようか。

エミルドラゴン:てめぇ……逃げる気か!?

ハスター:これ以上醜態をさらす気はないのでね。それにもたもたしていると、タイタニア界の戦力すべてがやってきそうで怖い。

エニア:……

エミルドラゴン:何の話だ……!?

ハスター:黒い魔女。どうせ貴様に鯨は殺せぬ。鯨を殺せば、その体内に溜め込んだ空間が外に出る。そうなればタイタニア界はおろか、ほかも含めた3世界にも大きな影響を受ける……鯨と戦ったことのある貴様が一番わかっているはずだ。

エニア:……

ハスター:仕切りなおすとしよう。また相見えるときを楽しみにしているぞ、魔女……!



○タイタニア界、3世界会議場にて

????:かくして、役者は壇上に上がり、賢人の面目も保たれた……ってところで。

??:フン、何者かが鯨の動きを意図しているとは感づいていたが……これではっきりしたということか。

タイタニアドラゴン:全部、このハスターをおびき出すための演技だったなんて……

????:悪いな。ハスターはお前らをまず監視するだろうと思ってね。敵をだますにはまず味方から……ってな!

織機風奈:フフフ、まぁ、いいじゃない。これで共通の敵ができたってことでしょう?

??:だからといって貴様らと協力などする気はない。タイタニア騎士団は独自に動かせてもらう。

????:それで結構。ただし、この件に対しては各勢力ともに『最低限の協力』は約束してもらおうか。

??:フン……貴様らがちゃんと分をわきまえてさえいれば……騎士団は特に邪魔をする意図はない。

織機風奈:魔女連盟もそれでいいわ。手を組むなんて私もいやだけど、邪魔をする気も、必要もないしね……どうかしら? エミル界のお嬢様?

アルシア:エミル界の評議会もそれで問題ない。こちらも独自に、あのハスターとやらの情報を集めるとしよう。

????:では、皆様、そういうことでヨロシク……これにて、3世界会議を閉幕ってことで。

続く。
by sei_aley | 2011-11-30 23:40 | ECOショートストーリー

by sei_aley