ナニカガスムイエ2 <七つ森学園編> その2
その2です。
~その1のおさらい~
フシギ団のクリムとミーシアを探しに、消滅したはずの学校へ入ったセイとエニア。クリムに出会うことができたが、ミーシアは奥に言ったまま戻らないという。ミーシアを追って、二人は学校の内部の探索を始めた……
ナニカガスムイエ2 その2
○七ツ森学園、生物室にて
セイ:ここは生物室だな……
エニア:うぅ、なによこの部屋……気持ち悪い……
セイ:フライフィッシュの標本か……確かに個の雰囲気の中じゃ迷惑以外の何者でも無いな……
エニア:ミーシアさんもいないみたいだし次いこうよ……
セイ:まぁ、まて。しっかり調べていかないとまた二の足を踏む事になるぞ。
エニア:大丈夫よ。だって私の勘が「ここにミーシアさんはいない」って断言してるもの
セイ:それはお前の願望だろうが(;´Д`)
エニア:いいからもう出ようよぉ……ひっ!?
セイ:どうした!?
エニア:い、いま……魚の目がこっち見た!!
セイ:なんだと……確かにこっちに向いているが、最初からこっちを向いていたんじゃ……?
エニア:そ、そんなことない! 絶対動いた!! 私見たもん!!
セイ:……ああ、確かにそのようだな。
エニア:え……?
セイ:そいつだけじゃない。この部屋にある標本……全部がこっち向いてやがる。
エニア:……!!!!!!!!
セイ:分かったよ……そんな泣きそうな顔でこっちを見るなよ……早く出よう。
○美術室にて
セイ:これまた悪趣味な像だな……
エニア:本当にこの像を見てるとだんだんとむかついてくるわね……ぶっ壊してやろうかしら
セイ:学校ごと吹き飛ばす気かよ。そんな事より……ここにもミーシアはいないようだな。ここが最後の部屋なんだが……
エニア:ミーシアさん、ドコ行っちゃったのかしら……
エニア:……
エニア:……セイ君
セイ:なんだ? 何か見つけたか?
エニア:う、ううう、しろ
セイ:白?
エニア:後ろ!!
セイ:え?
セイ:な、なんだこいつ!?
???:デテイケ……
セイ:(何……? 体が動かん!?)
???:デテイケデテイケ……
セイ:(だんだんとこっちに……くる!?)
???:デテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケデテイケ
エニア:セイ君!
バシッ!!!!!!
???:!!?
セイ:お、おお……体が動く……
エニア:……だ、大丈夫?
セイ:ああ、ありがとうな……って、何で叩いたんだ? スケッチブックか?
エニア:その辺に落ちてたんだ。
セイ:しかしまぁ、スケッチブックの一撃でいとも簡単に沈黙したなこの像。
エニア:やっぱり何かおかしいよ……早く出ようよ……
セイ:ああ、だがミーシアを見つけるのが先だ。
エニア:……うん
○教室にて
クリム:そうか……どこにもいないか
セイ:他に探す場所は無いのか?
クリム:あ……そうだ。実はこの学校には倉庫になっている地下室があるんだ。もしかしたらそこかも……
セイ:地下室か……これまたお化け屋敷には付き物の場所だな
エニア:……
セイ:分かった分かった……だから、泣きそうな顔はやめろって……俺が悪かったよ
クリム:すまないね……こんな事に巻き込んでしまって……
セイ:面倒ごとならどこかのちび議員から腐るほどもらってるからな。別にこんなの、迷惑の数にも入らないよ
クリム:フフフ……やっぱりセイさんは不思議な人だ
セイ:そ、そうか?
クリム:じゃ、すまないけど……地下室のほうを見てきてくれないかな
○地下室にて
セイ:人がいるな
エニア:人がいるわね
セイ:うん……亡霊じゃないようだ
エニア:幽霊じゃないみたいね、足があるもの。
セイ:じゃー、あれは誰だ?
エニア:知らない。多分ミーシアさんじゃないって、私の勘が叫んでるわ。
セイ:うん、俺の魂もそう叫んでいるな
????:あんたら……さっきから化け物を見るような目で、何を話しているの?
セイ:やぁ、ミーシアさんじゃないと思われる人
エニア:こんにちわ、ミーシアさんじゃない人。私たち、ミーシアさんという人を探してるんだけど知らない?
ミーシア:セイにエニアも……何をふざけたことを言っているの? 私がミーシア……
セイ:待った!! それ以上言うな!! 俺はだまされないぞ!! おい、エニア!! こいつはきっと悪霊だ!! 俺たちをだまして取って食おうと思ってるに違いない!!
エニア:そ、そうね!! あのミーシアさんがこんな可愛いわけ無いじゃない!! きっとミーシアさんの名を騙る不届きな美少女だわ!! ああ、なんて狡猾な美少女なのかしら!!
ミーシア:あんたら……どうあっても私がミーシアだって認めたくないようね……
セイ:くっそぉ……世界には7つも謎があるって言うが……これで8つ目になってしまったようだ……
ミーシア:私の素顔は世界の七不思議と同等なの……?
セイ:まぁ、冗談はそれぐらいにしてだ……ミーシアさん、顔もそうだが……口調もなんか違うような?
ミーシア:フフフ。女はいろいろな顔を持っているものよ? ねぇ、エニアさん?
エニア:同意したいけど……ミーシアさんほどいろいろな顔は持ちたくないわ
ミーシア:どっちが地かは、二人のご想像にお任せするわ……それより、二人がここに来たって事は、グリーディに頼まれて私たちを探しに着てくれたのね
セイ:まぁな。だけど、なんでこんな地下室に閉じこもっているんだ? クリムが心配していたぞ
ミーシア:だって仕方ないじゃない……出れないんだもの
セイ:……? どういうことだ? 俺たちはすんなりここまで入れたが……?
ミーシア:だって、ほら……
セイ:……?
エニア:ナニコレ……扉にぎっしり書かれてる……!?
セイ:なるほど……入ってくる時には気付かないな。
ミーシア:出れないの……だって、出ちゃダメって……声が……
エニア:……
ミーシア:きっとあの子だわ……あの子が、私たちを呼んでるんだわ……一人じゃ寂しいって……
セイ:何を言って……
ミーシア:ごめんなさい……ごめんね、ごめんね……うぅ
セイ:……エニア、誰かに監視されているような感じがするって言っていたな?
エニア:今もしているわ
セイ:捕まえられるか?
エニア:無理ね
セイ:お前でも無理なのか?
エニア:ちょっと無理よ……だって数が多すぎる。ざっと100人以上はこっちを見てるわね
セイ:……クリムのところに戻るぞ、この学校尋常じゃない。
エニア:だから言ったのよ……やめようって。
~続く~
by sei_aley
| 2008-09-29 20:52
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