始まりはいつもそう…
「ねぇ、麻雀って出来る?」
彼女は、少し不機嫌そうに僕にそう聞いてきた。
いえ、出来ないですけど?
適当にそう答える。いや、本当に麻雀なんて知らないんだけど。
「へぇ、出来ないのか」
彼女がいつもの上機嫌な顔に戻る。
ふむ、別に麻雀に付き合えってことではないらしい
……
あぁ、麻雀につき合わせるなら、強引に連れて行かれてるか。
「今時、麻雀も知らないなんて不幸だよ」
今まで、麻雀を知らずに不幸だったことなどないけれど。
不意に口から出た気持ちは、彼女の顔を少しだけしかめさせた。
「いいの、知識はあっても困るものじゃないでしょ」
はい、どうもすいませんでした。
「とにかく、私が麻雀を教えてあげるよ」
へぇ……麻雀出来るんですか?
彼女は、本を取り出しながら言う。
「いや、今から勉強しようと思って」
……
取り出した本、『麻雀必勝法』。
いや、ルールから覚えたほうが……
当然というかなんと言うか……未だに、僕と彼女は麻雀が出来ない。
彼女が突然始めることは、明日には飽きられていることが多いから。
by sei_aley
| 2005-12-22 14:11
| 戯言(思いつき