ひぐらしのなく頃に <皆殺し編>
皆殺し編をクリアしました。あまりの面白さに軽く徹夜。時間的にもっとも短いはずなのに、一番長く感じた物語でした。
以下、ネタバレを含むので要注意。
ちなみに、ネタバレの重要度が半端ない。もはや推理する隙間など無し。皆殺し編は、惨劇の解答編です。ただし、あくまで惨劇の真相。
いくら謎が解かれたとしても、惨劇であることに変わりは無し。
支障のない方、後悔しない方……だけどうぞ。
皆殺し編は、前半の祟り殺しに対する解答編。と言うことになります。
つまり、沙都子の叔父、北条鉄平が戻ってくる世界。
皆殺し編では、梨花の視点が追加され、彼女がいくつもの並行世界を生きることができる元凶、羽入の存在が明らかになります。罪滅ぼし編でも少しだけ出てきてましたね。
さて、死ぬと次なる並行世界へ時間をさかのぼって復活することのできる梨花と羽入ですが、その力もだんだんと衰えている様子。今回は綿流しまであと2週間という、かなり残り時間の少ない時点で復活します。
前回の世界(罪滅ぼし編の世界)では、圭一がレナの暴走を止めたことで惨劇を回避したはずなのですが、結局梨花は殺され、雛見沢大災害へとつながっていきます。
ここで梨花の目的は、自分の死の運命(綿流し後、境内で惨殺死体となること)を跳ね除け、かつ、彼女の仲間全員が無事であること。
つまり、仲間の誰もが暴走せず、自身も生き残ることが目的であると明かされます。
それに対して、障害は3つ。
まずは、友人の暴走。鬼隠しと祟り殺しでは圭一、綿流しと目明しでは詩音、罪滅ぼしではレナの暴走がそれに当たります。これはどの世界でも絶対に起こる、[強固な運命]ではなく、各世界において暴走する人間は異なり、罪滅ぼしのように食い止められるケースもある。
次に、富竹ジロウ、鷹野三四、古出梨花の殺害事件。これはどの世界でもほぼ確実に起こる[強固な運命]であり、どんなに梨花が防ごうとしても防げないほどの[誰かの意思]が存在する現象。
そして、最後に園崎家のシステム。
これは障害と言うよりは、他の障害の温床と言うべきもの。友人の暴走などに関与する。
序盤は、友人の暴走が起こるターニングポイントをたどることになります。梨花がさり気に誘導しようとする場面もあるのですが、なぜか結局、次々と回避されていきます。
詩音の暴走は、悟史への編曲した執念から引き起こされていますが、彼女は悟史に任された沙都子を守ることでその暴走を食い止めています。
レナは、暴走する前に魅音に相談し、円満な解決をすでにしています。本当なら父親の愛人を殺害して事の収拾を図るのですが、今回は父親との話し合いでそれを解決しました。
詩音の暴走、と言うよりは魅音の暴走を食い止めると思われる(梨花が言うには魅音の暴走は皆無だったらしいが)、景品の人形を誰に渡すか、という選択に対しても(綿流し編、目明し編ではレナに渡す)、圭一はちゃんと魅音に人形を渡せました。
次々と回避されていく惨劇の数々。さらには大石、赤坂との出会いがさらに運命を打ち砕いていきます。大石の場合は綿流し後、つまり富竹の事件に関連して現れることが多く、仲間たちに敵対、もしくは害を与える要因になることが多かったので、綿流し前に、仲間と交流を持ったことは大きいプラス要素だったでしょう。
これまでの順調ぶりに、梨花は期待に胸躍らせます。
今度はハッピーエンドを迎えられると。
ですが、相方の羽入はあまり喜んでいるような節はほとんどありません。
永遠に同じ時間軸を生きる梨花にとって、世界はどんどんとつまらない方向に向かっていきます。未来に起こることを知っていると言うのは精神的にかなり苦痛のようです。大学生が、小学校で授業を聞いているようなものですかね。いまさら足し算引き算の授業を一時間近くも真面目に授業を受けられるわけがない。
そのせいもあって、梨花の精神はかなり病んできているようです。羽入との会話では素を出す彼女ですが、かなり否定的な態度をとることが多いです。後半になると顕著になってきます。
ここで、決定的な場面がやってきます。
鉄平の帰宅です。
過去、何度か低い確率でこの現象は起こっているようで、この事象を解決できた世界はないようです。つまり、梨花にとって鉄平の帰宅はチェックメイトに近いものでした。
これまでの幸運のために、梨花はひどく落ち込み、この世界をあきらめることになります。
しかし、圭一を中心として仲間たちはあきらめませんでした。児童相談所に通報するところまではこれまでの世界と一緒なのですが、その次に、彼らは相談所に乗り込んでいくことになります。
沙都子は鉄平から虐待を受けているのですが、状況から言ってすぐさま保護というのは無理です。まず、沙都子が心情から助けを求めない。鉄平が暴力を抑止している。鉄平が帰ってきてから日が浅い。などなどの理由から、相談所は[様子見]を決定します。
ここまでは、祟り殺し編となんら変わりません。祟り殺し編では圭一がここで暴走して鉄平を闇討ちします。この世界では詩音がその役目を担うらしく、かなり過激な発言をします。
ここで、詩音をとめたのが圭一。やはりイフの世界の記憶があるらしく、詩音の暴走を止めてくれます。
そして、みんなで相談所に直訴に行こうという話になります。
ですが、友人5人が直訴に行ったところで、役所が例外を認めるわけありません。
そこで圭一は[友人5人が直訴]という結果を利用して、次はクラスメイト全員、20人近くでの直訴を行いました。このとき、クラスメイトを説得した圭一の演説はもはや見事。彼は日本を動かす人物になる! マジでそう思わせてくれます。
こうなると役所のほうも困った事態に。
何せ、相手は雛見沢の住人。そう、雛見沢にはダム建設のときに役所と戦った死守同盟が存在していたことがあり、さらにこの地域を裏で牛耳っているのは雛見沢の母、おりょう。
役所はすぐさまおりょうへ、この件の関与を調べます。もちろん圭一が勝手にやっていることな上に、対象は忌むべき北条の名を持つ少女。まったく関係ないと返答します。
裏におりょうがいないと知った役所はほっと一安心。安心して圭一たちを煙に巻く準備が整いました。
圭一たちのほうは、翌日に60人もの人数を集めて相談所を訪問しましたが、先のことがすでに判明しているので、役所のほうも自信満々にこちらの言い分をかわしてくれます。
そこで、圭一は……今度は雛見沢全体を味方につけるべく、なんと綿流し実行委員会の席で、[北条沙都子の保護への賛成]を求めます。雛見沢には、ダム建設反対運動から[北条]という名前を敵対視することで団結を深めたため、いまだに北条に対する恐怖心が残っていました。つまり、北条に関係を持つと、不利な立場になる。と言うことです。実際には沙都子を嫌っている人間などいないのでした。北条忌むべしの張本人、おりょうでさえも例外でなかったのです。
ここでも圭一の演説は本当に感心させられます。さすが主人公。鬼隠し編で、自室でうじうじと考え込んでいた彼はどこへ行ったのか。
最終的に、おりょうへの説得をすることになります。おりょうの言葉はひどくなまっていて、なんと言うか、怒られてる感が増長されてます。怖いよ、ばばぁ。日本刀が好きってどんなばぁさんやねん。
自身の大活躍によって、丸くおりょうを折ることができた圭一。
雛見沢全体を味方につけた彼はもはや無敵。何者もその歩みをとめることはできません。おりょうの召集で翌日の直訴には150人もの人間が集まりましたが、相談所の所長がこれにびびって警察へ事態の収拾を依頼。大石が来ることになります。
大石も味方なのでまったく問題ないという、なんつうか、滑稽な話です。
大石が時間稼ぎをする中、ついに議員様と弁護士様が到着。おろおろする所長にはもはや同情することしかできない……公務員として、一応間違った対応でもない(保護保留、様子見決定)ので、なんかすごいカワイソウ感が。。。
あとは、沙都子が一言[助けて]と言うだけでした。
しかし沙都子は[耐えることこそが強さであり使命]と言う考えに囚われているため、助けを叫ぶことができません。[助けて、と言えば保護する用意ができている]という電話にも、彼女は[助けて]と叫ぶことができません。梨花の最後の説得でようやっと助けを求めることができ、鉄平は逮捕。沙都子は保護されることになりました。
こうして、怪我は負ったものの、雛見沢のメンバーは綿流しの夜を迎えることになります。
綿流し前に、すべての惨劇が回避されるとは。これまでで一番濃密な2週間だった気がします。
残る問題は、富竹と鷹野の殺害事件になります。これは梨花の惨殺事件と同様に、どの世界でも起こる[強固な運命]のひとつであり、梨花もこの事件は自分の死に大きくかかわっているのだと確信しています。
富竹と鷹野に警告を発する彼女ですが、当然、当人たちにその危機感は伝わりません。さらに大石にも事件を匂わせ、回避するために警官を配置してもらいますが……
ここで、ひとつの組織が出てきます。鷹野、入江、富竹の属する[東京]と言う組織です。
これは雛見沢に存在する奇病、[雛見沢症候群]を研究している組織であり、その研究者が入江です。入江は梨花の協力の下、症候群の治療方法、予防方法まで発見していました。
友人の暴走もこの奇病が原因です。
発症すると、深刻な被害妄想にとらわれ、組織的な活動を不可能にする。つまり暴走状態に陥るわけですね。
これを発症する要因は、雛見沢から離れることと、疑心暗鬼にとらわれることです。つまり心因的なストレスが発症を助長するらしいです。
入江はすでにこの発症を抑える薬を開発しているようでした。つまり、目明し、罪滅ぼしで、詩音とレナの前に現れた梨花が持っていた注射……あれはその暴走状態を回復するためのものだったんですね。ただ、健常者が摂取すると致命的な劇薬であるらしく、誤って打たれた梨花は死んでしまいましたが(自害っぽいが)。
そして、綿流しの夜、梨花の敵が姿を現します。
富竹と一緒に入江の診療所にやってきた鷹野は、富竹にひとつの提案をします。それは、つまり裏切り。鷹野は梨花を殺して、雛見沢全体に祟りを起こすことが目的でした。梨花は雛見沢症候群の[女王]に位置する存在であり、彼女の死は雛見沢症候群の一斉発症を招きます。
裏切りの誘いを断る富竹を殺し、鷹野は一人舞台から遠ざかります。岐阜山中で見つかる鷹野の死体はダミーであり、死亡推定時刻が合わないのはこのときの身代り死体選別ミスが原因です。
富竹の死を知った梨花は、おぼろげながら敵の存在に気づきます。
表向き(と言っても裏事情での話だが)、入江が東京を裏切って富竹を殺したと言う話になっています。ですが、いくつもの世界で入江を見てきた梨花は入江が犯人だとは思いません。
だとすると、残るは岐阜山中で見つかった鷹野。
大石もこの死体には疑問を抱いて、岐阜へ確認に出向きます。
梨花は鷹野が犯人であった場合、彼女が指揮する山狗という集団に囲まれている状況であったため、新たに警察の護衛を頼みます。
さらに梨花は部活メンバーに真相を話して、運命を乗り切ろうとします。
ですが結局、大石は雛見沢に戻ってくる途中で山狗に殺され、部活メンバーも、梨花とともに逃げようとしますが結局山狗に捕まってしまいます。
皆殺し編の名前のとおり、次々と殺されていく部活メンバー。
圭一に金属バット、レナに鉈、梨花にモップがあれば負けなかったんじゃないですかね?(ぇ
結局、梨花は鷹野に殺され、雛見沢症候群の発祥を恐れた[東京]によって、住人全員が殺されます。
これで、梨花の死の真相が暴かれました。
さて、最後に問題となるのはどうやってこの死の運命を乗り切るのか……って事ですよね。多分、富竹さんが死ぬとジエンドな気がします。彼は実質上鷹野よりも上位の役職についているようなので、彼の生存がキーなんじゃないですかねぇ。
最終解答編、祭噺編……おそらく梨花が勝つ世界だと思いますが……楽しみですねぇ。
んで、落書きに梨花ちゃまと羽入。
梨花が生まれたときから羽入は彼女のそばにいたらしく、梨花の表向きの性格は大きく羽入の影響を受けてるみたいです。
by sei_aley
| 2006-06-18 01:27
| ゲーム感想