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月明かりの射す静かな庭

noblemoon.exblog.jp

ECOのフリージアサーバに生息中。現在の企画→ECO小説<運命の赤い糸>

ナニカガスムイエ2 <七つ森学園編> その3



後編だが、終わるのか……?


~2のあらすじ~

セイとエニアは学校の中を探したが、ミーシアは見つからない。クリムに話を聞くと、地下室があるらしい。二人はその地下室でミーシアを見つけるが彼女はその場を動こうとはしなかった。仕方なく、二人はクリムのところへと戻る。





ナニカガスムイエ2 その3


○七ツ森学園、教室にて

クリム:そうか……ミーシアさんがそんなことを……

セイ:あの子って誰なんだ?

クリム:ミーシアさんには妹がいるんだ……いや、いたんだ。

セイ:……過去形か

クリム:うん。彼女は……サヤは私たちと同じようにこの学園に通っていた。明るくて世話好きでね……少しばかり鬱陶しい子だったけど、どことなく安心するような……不思議な子だった。

セイ:……火山弾

クリム:その通り。あの事件で生き残ったのは私とミーシアさんだけ……サヤは……崩壊する学校に戻っていった。そして、戻ってはこなかった。今でも分からない……どうして彼女がもどって行ってしまったのか、どうして……私たちはそれを止められなかったのか……

エニア:……

クリム:私もミーシアさんも、本当なら死ぬはずだったんだ。だからこの学校は、こうやって私たちを待っているのかもしれないな……

セイ:とにかくだ。もう少しこの学校を調べる必要がある。まだ何かこの学校について知ってることがあったら教えてくれ。

クリム:そうだな……確かこの学校にも七不思議というものがあった。

エニア:……どこにでもあるのね、そんな都市伝説(;´Д`)

クリム:まぁね。でもこんな状況じゃ、都市伝説と笑い飛ばすこともできないな。

セイ:何があるんだ?

クリム:そうだな……どこにもつながっていない廊下があるんだけど、実はその廊下の向こうは異世界につながっている……なんていうのがあったね。

セイ:廊下、か……よし、もう一度行ってみるか


○廊下

セイ:……一見して、やっぱりどこもおかしいところは無いみたいだが……大丈夫か、エニア?

エニア:……大丈夫。周りがうるさいだけ……うるさいのよ、デテケデテケ……くっそ、むかつく……

セイ:(俺には聞こえない……エニアの特性によるものか……なんにしても長居はできないな)

エニア:あれ、セイ君……そこ、なんか崩れてない?

セイ:む? そういわれれば……


ナニカガスムイエ2 <七つ森学園編> その3_e0010586_21374599.jpg


セイ:気付かなかったな……入ってみるか

エニア:……

セイ:本当に大丈夫か、エニア? やばいようなら、クリムと一緒に待っていても……

エニア:いい、行く……私が行かないといけない気がするから

セイ:エニア……?

エニア:そのかわり……ちゃんと手、つないでて……ね?

セイ:ああ、分かった。


隙間に二人で入る。

セイ:……これは、通路か……?

エニア:……

暗闇。光が……遠くのほうに見える。

セイ:よし、とにかく行くぞ……

エニア:……

彼女の暖かい手を引っ張りながら進む。

セイ:長いな……ドコに続いているんだ

エニア:……

早く……早く明るいところへ。

彼女もそう思っているのか、光に近づくと、重かった手がどんどん軽くなる……


あともうちょっとだ……この先にきっと、この学校の秘密が。


ぐい


足が止まった。いきなり手が重くなった。

セイ:……エニア?


振り返った。



ナニカガスムイエ2 <七つ森学園編> その3_e0010586_21444492.jpg



セイ:な……!!?



気が付くと、俺は一人……あの廊下に立っていた。


~続く~
by sei_aley | 2008-09-29 21:52 | ECOショートストーリー

by sei_aley