ナニカガスムイエ2 <七つ森学園編> その3
後編だが、終わるのか……?
~2のあらすじ~
セイとエニアは学校の中を探したが、ミーシアは見つからない。クリムに話を聞くと、地下室があるらしい。二人はその地下室でミーシアを見つけるが彼女はその場を動こうとはしなかった。仕方なく、二人はクリムのところへと戻る。
ナニカガスムイエ2 その3
○七ツ森学園、教室にて
クリム:そうか……ミーシアさんがそんなことを……
セイ:あの子って誰なんだ?
クリム:ミーシアさんには妹がいるんだ……いや、いたんだ。
セイ:……過去形か
クリム:うん。彼女は……サヤは私たちと同じようにこの学園に通っていた。明るくて世話好きでね……少しばかり鬱陶しい子だったけど、どことなく安心するような……不思議な子だった。
セイ:……火山弾
クリム:その通り。あの事件で生き残ったのは私とミーシアさんだけ……サヤは……崩壊する学校に戻っていった。そして、戻ってはこなかった。今でも分からない……どうして彼女がもどって行ってしまったのか、どうして……私たちはそれを止められなかったのか……
エニア:……
クリム:私もミーシアさんも、本当なら死ぬはずだったんだ。だからこの学校は、こうやって私たちを待っているのかもしれないな……
セイ:とにかくだ。もう少しこの学校を調べる必要がある。まだ何かこの学校について知ってることがあったら教えてくれ。
クリム:そうだな……確かこの学校にも七不思議というものがあった。
エニア:……どこにでもあるのね、そんな都市伝説(;´Д`)
クリム:まぁね。でもこんな状況じゃ、都市伝説と笑い飛ばすこともできないな。
セイ:何があるんだ?
クリム:そうだな……どこにもつながっていない廊下があるんだけど、実はその廊下の向こうは異世界につながっている……なんていうのがあったね。
セイ:廊下、か……よし、もう一度行ってみるか
○廊下
セイ:……一見して、やっぱりどこもおかしいところは無いみたいだが……大丈夫か、エニア?
エニア:……大丈夫。周りがうるさいだけ……うるさいのよ、デテケデテケ……くっそ、むかつく……
セイ:(俺には聞こえない……エニアの特性によるものか……なんにしても長居はできないな)
エニア:あれ、セイ君……そこ、なんか崩れてない?
セイ:む? そういわれれば……
セイ:気付かなかったな……入ってみるか
エニア:……
セイ:本当に大丈夫か、エニア? やばいようなら、クリムと一緒に待っていても……
エニア:いい、行く……私が行かないといけない気がするから
セイ:エニア……?
エニア:そのかわり……ちゃんと手、つないでて……ね?
セイ:ああ、分かった。
隙間に二人で入る。
セイ:……これは、通路か……?
エニア:……
暗闇。光が……遠くのほうに見える。
セイ:よし、とにかく行くぞ……
エニア:……
彼女の暖かい手を引っ張りながら進む。
セイ:長いな……ドコに続いているんだ
エニア:……
早く……早く明るいところへ。
彼女もそう思っているのか、光に近づくと、重かった手がどんどん軽くなる……
あともうちょっとだ……この先にきっと、この学校の秘密が。
ぐい
足が止まった。いきなり手が重くなった。
セイ:……エニア?
振り返った。
セイ:な……!!?
気が付くと、俺は一人……あの廊下に立っていた。
~続く~
by sei_aley
| 2008-09-29 21:52
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