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月明かりの射す静かな庭

noblemoon.exblog.jp

ECOのフリージアサーバに生息中。現在の企画→ECO小説<運命の赤い糸>

白いネコと夢幻の魔女 後編その2


なんという4部作。

予想外だ\(^o^)/





たとえ、いままで行いが全部間違いだとしても

すべてをやり直すには、途方も無い犠牲が必要だとしても

いっそ、もうこのまま消えてしまってもいいとおもっていても

いっそ、もうこのまま消えてしまったほうが楽だとしても





やり直してはいけない。なんて、誰が決めただろうか。


明日世界が滅ぶとしても、私はリンゴの木を植えるだろう。

そして、私には……


その木が、真っ赤な果実をつけるまで育てる自信がある。






○夢幻世界にて

白いネコと夢幻の魔女 後編その2_e0010586_2354396.jpg


白:あら、かえって来ましたわ

ヴァニー1号:おお、タイタニア殿。またいらしていただけるとはこのヴァニー1号……感謝のきわみにございます

セイ:(;´Д`)……

ロード:……^-^;;;;

白:どうですか? このうさぎちゃんも、こんなにお行儀がよくなりました♪

1号:ハッハッハ、いやはやまさしく白様のお言葉はわが身にしみました……それはもう、血が出るほどに。

セイ:ある意味洗脳じゃ……(;´Д`)

ロード:(;´Д`)白い姉さん並に怖い……

白:^-^

セイ:ま、まぁ……この際、細かいことはどうでもいい。早くもとの世界に戻らないと……

1号:そうでしたそうでした。いくら白様が強大な魔力を持っているとしてもこの世界は、夢幻世界……外からの異物に関しては牙をむきますれば。いやはやしかし……

セイ:?

1号:この夢幻世界、一体どうやって抜け出したものか……我輩らもそれが分からぬ始末……一刻も早く白様には、我々の安全面を考えても帰っていただきたい。

白:あらあら?^-^

セイ:相当ひどい目にあわせたみたいだな……;

ロード:でも、どうするの?? 帰り方が分からないんじゃ、またこの前にみたいに時間制限で私たちだけ帰っちゃうよ。

セイ:ウヌ……時空の鍵も安定しないしな……

白:……あら?

ロード:……白ちゃん! 顔が真っ青だよ……!

1号:あああ、白様!! これはまずいですぞ! 世界の侵食が始まったようです……どうやら白様はこの世界に異物として認識されてしまった模様……このままでは消去されてしまいますぞ!

ロード:ど、どうしよう!?

セイ:生命の泉の水があれば応急処置にはなるだろうが……さすがに都合よくもってないな……

1号:あああ、白様! お気を確かに!! このヴァニー1号がすぐに助ける方法を探して見せますぞ!! ああ。、これも違う! 『ニンジンの調理法』? これも違う! 『魔女対処法』? これも違う!! 『北の伝説』? これも違う!! ああ、自慢の書物が何も役に立たないとは!!

セイ:……ん? これじゃないのか?

1号:むむむ??? 『夢幻世界のススメ』。おお!! これですぞ!!

セイ:(;´Д`)本の整理ぐらいしろ

ロード:アレイに言われたくない……(遠い目

1号:何々……『夢幻世界に溶け込む方法』

セイ:溶け込んでどうする! ずっと白をここに閉じ込めたいのか!!

1号:ハjッ!? それはいけませんな!! 断じていけません!! 白様にはどうか手っ取り早く帰っていただかなくては! もしくはここで潔く消えてもらわねば!!

ロード:だんだん本音が出てきてる……

1号:何々……『夢幻世界に存在するためには、現界での存在エネルギーを夢幻世界での存在エネルギーに変換しなければなりません。変換にはとてつもない苦痛が伴い、時には消滅……』

セイ:もうちょっと先だ!

1号:『存在エネルギー変換の食い止め方法……キス』

ロード:……は?

1号:『存在エネルギーの変換の流れを、キスという形で外部からのエネルギーを注入し、乱す事によって一時的に流れを止めることが出来ます』

ロード:えええええええええええええええええええええええええええええええ

セイ:(;´Д`)とってつけたような設定だ

ロード:え!? アレイがキスするの!!?

セイ:(;´Д`)え。おれ!?

ロード:いや、ダメ!! アレイが他の子とキスなんて絶対ダメ!! エニアやアルシアならともかく、同じネコにキスなんて絶対許さない!!!

セイ:(;´Д`)じゃ、どうするんだよ

ロード:私がやる!!

1号:『ちなみに、キスの相手の条件は魔力の強いものに限定されます。同等、もしくはそれ以下の存在からのキスでは、逆にエネルギーを吸収され、共に危険な状態になります』

ロード:えええええええええええええええええええええええええええ!!!!?

1号:ここは、タイタニア殿に頼むのが安全ですな

セイ:ロード、とりあえずこのことは誰にも言うなよ。特にエニアとかエニアとかエニアとかに。

ロード:ぁぃ(;つД`)

1号:ささ、タイタニア殿。白様の唇にぶちゅっといっちゃってください

セイ:(;´Д`)口かよ

1号:いえ、場所は何処でもいいみたいですが、口のほうが我々としても白様に一矢報いた気がするので。

セイ:じゃ、ほっぺで……

1号:(´・3・`)意気地なしめ

ロード:ウサギ、ぶっ殺すぞ^-^

1号:壁|ω・`)

セイ:じゃ、行くぞ……


チュ……



セイ:こ、これでいいのか? 確かになんか少し、魔力を奪われた感じがするが……

白:う、う??

1号:おお、白様がお目覚めになられましたぞ!

ロード:とりあえず助かったぁ……

白:私は一体……

1号:白様、タイタニア殿のおかげで一時的に救われましたぞ。さぁ、早く帰る方法を探さねば……

???:……排除する

セイ:む……この感じは……

???:調和を乱すものを……排除する……

ロード:うわ! またアイツだ!

1号:しまった。この世界の意思が具現化してしまったようですぞ!!

セイ:まずいな……世界の意思だけあって、花のときとは別次元のプレッシャーだ……

ロード:ハワワ……

1号:……

白:ごめんなさい……わたしのせいで……

1号:……いやはや、白様のせいではございません。もともと、白様をこの世界に迷い込ませる原因となったのは我々のいたずら。

セイ:……1号

1号:タイタニア殿にも迷惑をかけてしまいましたな。いやはや……いたずらはこりごりと、あの時懲りたはずなのに……

ロード:……?

1号:さぁ、兄弟よ! いまこそ決断のとき!

2号:おう!

3号:兄ちゃんがそういうなら!

4号:よし、やるか

5号:燃えてきたぜ!

6号:……(こくり

7号:おういえ!

白:貴方たち……

1号:ささ、白様、タイタニア殿。元の世界へ帰るときですぞ

セイ:……

白:何をするんですか……?

1号:世界の意思が来る前に、我々の全部の力を使って貴方たちを転移させるのです。なぁに、我々も夢幻世界の住人、それぐらいの事は出来ますとも。

ロード:全部の力って……まさか!

白:そ、そんな! 待って!!

1号:待っている時間などありませぬ、行くぞ兄弟!!!

2~7号:おおう!!!

ヴァニー兄弟:うおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!



○???にて

ヴァニー1号:おや、ここは……確か我輩は白様を救うために……ということは、ここは地獄ですかな、アハハ

1号:いたずらし続けて幾年月……まさか、こんな最後を遂げるとは思いませんでしたな。まさか、他人のために命をかける事になろうとは

1号:さてさて、地獄の水先案内人は……

???:……水先案内人は出来ないけど、見送りぐらいはしてあげてもいいわよ?

1号:……おや、貴方様は……貴方様も、地獄に落ちたのですかな?

???:やぁねぇ。私は貴方たちと違って、ちゃんと天国に行く自信があるわ

1号:アッハッハ。そうかもしれませんな。いたずらのし過ぎで行き場を失っていた我々兄弟に、夢幻世界という永遠の遊び場を与えてくれたのも貴方だった。誰も我々を助けてくれなかったが、貴方だけは違った。貴方にはとても感謝していますぞ

???:フフフ。気まぐれよ、気まぐれ。

1号:……では、その気まぐれに感謝するとしましょう……ありがとうございます。

???:……

1号:おっと、そろそろ行かねばならない様子……最後に、たずねてもよろしいかな?

???:何かしら?

1号:我々は……いいうさぎになれましたかな? 次に生まれてくるときは、もっと上手にやり直せますかな?

???:……さぁ、どうかしら? 私には分からないわ。でも……自分が死ぬときに誰かが泣いてくれるっていいことよね

1号:……そうですな。ではそろそろ……おさらばです。

???:バイバイ。また、会えることを楽しみにしているわ。

1号:私も楽しみにしていましょう……夢幻の魔女、織機風奈殿……



○ECOタウン

白いネコと夢幻の魔女 後編その2_e0010586_23575819.jpg


セイ:ここは……戻ってきたのか

ロード:……

白:……

セイ:……

白:……あの子達は……やっぱり……

セイ:……

白:……いたずら好きで、みんなをとっても困らせて、とてもとても迷惑でしたけど……

白:あの夢幻世界で話して、あの子たちはとってもいい子達だったのだと気付きましたわ……

ロード:白ちゃん……

白:……どうしてもっと早く、仲良くなれなかったのかしら……

セイ:……行くぞ、ロード

ロード:アレイ……?

セイ:俺たちは邪魔だ……泣かせてやれ。

ロード:……うん

白:ま、待って……ください!

セイ:……ん?

白:……ありがとう、気を使ってくれて。でも、少しだけ待ってて……すぐに、泣き終わるから。

ロード:……

白:泣き終わったら……私も一緒に連れて行ってくれますか?

セイ:(;´Д`)え?

ロード:( ゚Д゚)え!?

白:ウサギさんたちも消えてしまって、なんだか私の居場所も消えてしまったみたいで……それにその……

セイ:(´・ω・`)?

白:わ、私……その、初めてでしたから……

ロード:(´・ω・`)何が?

白:き、きき、キスです! あんな事されたのは初めてですわ……

ロード:気を失っていたわけじゃなかったのね……

白:と、とにかく! 私も一緒についていきますから……よ、よろしくお願いします!(ペコリ

セイ:……まぁ、いいけど。

白:あ、ありがとうございます……! じゃあ、私……もうちょっとだけ、泣いてきますね。

セイ:あぁ、いっといで

ロード:アレイ……

セイ:ん?

ロード:キスの事、エニアにばれないように頑張ってね!^-^

セイ:(;´Д`)絶対にバレる気がしてきた。

―終―
by sei_aley | 2009-03-11 23:56 | ECOショートストーリー

by sei_aley